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第114回 欧米系と日系の販売チャネルの違い

概要

皆さん、こんにちは。スパイダーの森辺です。今日は、欧米の先進的なFMCGメーカーと日本のFMCGメーカーのASEANにおける販売チャネルの違いについてお話をします。この違いをしっかり熟知しないと、日本のFMCGの販売チャネルは進化をしていけません。そして、欧米のFMCGメーカーよりも高いシェアを獲るということもできません。今日は、欧米のFMCGメーカーと日本のFMCGメーカーの販売チャネルの違いについて、一緒に学んでいきましょう。
 この図は、こちら側が欧米のFMCGメーカーの販売チャネルの大枠のストラクチャーです。こちら側が日本のFMCGメーカーの大枠のストラクチャーであると。パッと見ただけで、この部分が違うことがよく分かると思います。
過去のこの番組でもお話をしました通り、ASEANのマーケットというのは、日本と違って、MTとTTの、2つの大きく分けて流通が存在すると。モダントレードとトラディショナルトレードの2つの流通が存在する。そのため、ディストリビューター、ディストリビューションネットワークというところに少し工夫をしていかないと、なかなか配荷が広がらない。
例えば、日本のようにMTが中心の国であれば、モダントレードというのはだいたい物流がセントラル物流になっているので、そこに商品をドーンと送り込んでしまえば、あとはそのセントラル物流から各コンビニエンスストアの店舗に配達がされるという、そういう仕組みになっているので、そんなにたくさんのディストリビューターというのはいらない。日本でも、都道府県なのか、地方、地域に分けてディストリビューターの支店があって、そこを通じて、いわゆるディストリビューションセンターに商品が送られるという仕組みになっていると思うんですが。
アジア、ASEANの市場では、例えば、ベトナムには50万店のTTが存在する、フィリピンには80万店のTTが存在する、インドネシアには300万店のTTが存在するというお話をしましたが、その構造をよく理解している欧米のメーカーというのは、だいたいモダントレード、スーパー、コンビニ、ドラッグに関しては、自分たちの現地法人が直販をしていくと。直接、口座を持って直接小売とコミュニケーションを取る。従って、小売に対する影響力とか、小売から吸い上がってくる情報に関しても非常に長けている。
一方で、手間のかかる数十万店~数百万店あるようなTTに関しては、複数のディストリビューターを活用した、ディストリビューションネットワークを築いていくと。これは8社ぐらいありますけども、中には数百社のディストリビューターを使って、きめ細かなマイクロディストリビューションをやっているような会社もたくさんある。例えば、ネスレとかユニリーバなんていうのはそうだし、ASEANのどの国でも、だいたい中堅以上の大手8社ぐらいを使うのがP&Gの、P&Gモデルと私は呼んでいますけども、100社とか200社使うのがユニリーバ・ネスレモデルというふうに言っていますけど、取り扱っている商品によって、この配荷のきめの細かさが全然違うので、そういったディストリビューターの数にも左右されるし、また、方針としてディストリビューター、日本の感覚で言うと、セールス機能とデリバリー機能を合わせてディストリビューターですけど、国によってはセールス機能を持たずにデリバリーの機能しか持っていないようなところもあると。メーカーからしてみたら、「あなたたちセールスしなくていいんです。デリバリーだけしてください」という、そういうメーカーもあるので、これだけ活用する数が違ってくるわけですけども、それによって中堅のスーパー、いわゆる、私はGTというふうに呼んだりしますけども、グローサリー、スモールストアまで配荷が進むと。従って、ストア・カバレッジが非常に高い、というのが欧米先進的なFMCGメーカー。
対して、日本の消費財メーカーは現法があるにもかかわらず、現地のモダントレードをディストリビューターにお願いして、ディストリビューターにしてみたら、モダントレードは1カ所にドーンと商品を納めたら、あとは黙っていたら売れていくので、非常にROIがいいわけですよね。費用対効果がいい。一方で、TTというのは、ある一定の投資をして、ストア・カバレッジを高めてしまえば、その後、収益はたくさん入ってきますけど、やっぱりここで甘い蜜を吸う、メーカーつついてリスティングフィー出させて、強制プロモの費用を出させて、MTに配荷をできちゃうと、ある程度甘い密が吸える。そうなってしまったディストリビューターは、なかなかTTをやろうというふうにはならないので、なかなか難しい。ROIを一時的に悪くさせますから、TTの配荷が進まない、ということは全然起き得る。なおかつ、ディストリビューターもMTに強いけどもTTに強くない、というディストリビューターはたくさんある。そういうディストリビューターを、知ってか知らずか、選んでしまっているような日本のFMCGメーカーもたくさんございます。
従って、欧米のFMCGメーカーと日本のFMCGメーカーではこの販売チャネル、ディストリビューター、ディストリビューションネットワークに対する知識、ノウハウ、ナレッジ、すべてが異なるので、販売チャネルが弱いと言わざるを得ません。日本のFMCGメーカー、非常にいい商品をたくさん持っている。課題は販売チャネルにあると思います。
それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。